騎士契約

「………姫?」


コクエンは驚いたように
ステラを見上げる



「あたしも……よ…
あなた達がいないと…

一人でも欠けると…
胸に穴が空いたみたいに
からっぽになっちゃう
みたいなの」


ステラは涙を
浮かべて笑った



皆がステラを
見つめている



皆が彼女の傍にいると
決意した瞬間だった



「姫」


ステラの隣に
オークが腰を降ろす



「すみません…あなたを
悲しませた」



オークがステラを
優しく抱きしめる



「っ…オーク……」


涙に濡れる声で
名前を呼んだ




「あなたが化け物なら
私たちは大化け物です」



そう言ってオークは
小さく笑う




.
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