騎士契約


「ステラ様が…どんどん
遠くなっていくようで…

このまま…いなくなって
しまう気がして
不安なんです」



ルーンの言葉を聞いて
ステラはルーンを
抱きしめ返す




「………ステラ様……」



こんな不安そうな
ルーンの声を聞いたのは
初めてかもしれない



無性に愛おしいと思った
ずっとこうしていたい




「……ルーン……
私……ルーンが好き
大好きなの………

仲間としてじゃない
一人の男性として
あなたが好きなの」



言ってしまった
言わないつもりだったのに



ルーンを見上げると
ルーンは固まっている




「……………駄目です!!」



ルーンはいきなり
ステラの肩を押した



駄………目………?



胸がズキズキと痛む




「……私はあなたの騎士です
あなたは姫……です…」



ズキン


胸が嫌な音を立てる




「あたしは…………」


あたしには…
もう姫とか騎士とか
関係無くなるのよ?






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