かくれんぼ
蒼は表情を変えずにわたしをじっと見つめた。
わたしは恥ずかしいやらなんやらで俯いてしまった。

「葵・・」
蒼は慈しむような声でわたしの名を呼んだ。
「明日、葵の18歳の誕生日だよね。また迎えに行くから12時に葵の家の裏の公園に来て。話したいことがある。」
少しさみしげにもとれる顔をしながらそう伝える。わたしの告白もどきは無かったかのように。
偶然とは言え、わたしは蒼に自分の気持ちを伝えたんだ。でも蒼はそれには触れず、明日会おうって。話したいことがあるって。どうしてそんなさみしそうな顔をするの? だめならだめって言ってよ、今ならまだなかったことにできる。気まずくなるのは嫌なのよ。それだったら一生、幼なじみでも友達でもいいからあなたの側にいさせてほしい。あなたの隣に誰かいても、もう一方の隣には図々しくもわたしがいるの。離れ離れはもう嫌なの。

急に緊張したせいかいつもの過呼吸が襲ってきた。
いつもより少しひどい。
やばい、視界が・・・
遠のく意識の中で蒼がわたしの名前を呼ぶ声を聞いていた
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