〜AlWAYS〜
その後もくだらない話をたくさんして、あっという間に別れ道に着いた。

「んじゃ、俺こっちだから」
「うん、またね。」
「ああ、じゃあな。変なことすんなよ(笑)」
「しないから!!(笑)」

ホント一言余計…

そうつぶやいて、あたしと反対側に歩いて行く奏斗の後ろ姿をずっと見ていると、なんだか切なくなった。
「いつまでこんな日が続くのかな…」

もちろん、今みたいな部活仲間でも嫌じゃない。
ただ、これが日常化し、満足できなくなっている自分がいる。

「どんだけよ…」

始めは違った。
一年のときはちょっと話せただけでもルンルンだった。
けど、2年になってクラスが一緒になり、話したり一緒にみんなで帰ったりしてるうちに、もっと仲良くなりたいと欲がでてきた。

奏斗はそれなりにモテる。178と高めの身長に、抜群の運動神経、ノリもいいし面白い。そして、一般的にイケメンだ。

告白もけっこうされているらしい。しかし、彼女がいたことはない。

理由を聞いてみたら…

「興味ないんだよね。」
だってさ(笑)

だから、このあたしの恋成就率は0%。
だから、今まで通り仲の良い部活仲間を演じなきゃだめなんだ。

もしかしたら奏斗は
あたしを女として見ていないかもしれない。
距離が近くなりすぎた。

そして、この距離があたしを苦しめる。

「はあ〜、帰ろ」

あたしは奏斗と逆方向に歩きはじめた。
< 5 / 93 >

この作品をシェア

pagetop