愛情狂現
第一章
「コッチにおいで」
キミは私に甘く囁く。
たったそれだけで私の体は動かなくなってしまうのだ。
ある種の呪縛のようなキミの言葉。
それは鎖のように私を繋ぎとめ、重い枷のように私を締め付ける。
逃げられない。
一瞬でそう悟った。
「イケナイ子だね。僕以外を見ているなんて……」
この人に言い訳は通じない。
最初からわかっていた。
だけど思わず口をついて出ていた。
「他のものなんて見てないよ!私はずっと……」
次の瞬間、世界が暗転した。