愛情狂現




その後の記憶はほとんどない。




ただ、気がつくと私は家のベッドに寝かされていた。




何故か体は動かない。




無理に動かそうとすると激痛が走った。




助けを呼ぼうと、声を張り上げる。




「誰か!助けて!誰か―――」




「どうしたの?春」




一番聞きたくない声が耳に突き刺さった。




声変わりしてない高い少年の声。




間違いなく秋だとわかった。




その時目に映ったキミの姿。




恐ろしく美しい、血塗れのキミ。




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