愛情狂現
父は少しお酒を飲むとすぐに暴力を振るう。
それを知っていた母は、私たち二人を家に閉じ込めて、自分だけは遊びに出かけていた。
酔って追いかけてくる父親から隠れる、本当のかくれんぼ。
自分の身を守るためには二人で協力するしかなかった。
しかし、やはり子供の浅知恵。
押し入れなどといったわかりやすい場所に隠れていれば、すぐに見つかってしまう。
私たちを見つけたときの父親の狂気的な笑みが頭から離れない。
父は、まるで狩りでも楽しむかのように私たちを捕まえる。
そしてその後は狩られた獲物よろしく、
無感動に振るわれる拳に、怯えて震えていた。