愛情狂現
「どうして……っなんで殺したの!秋、なんかおかし…」
「だって春、全然僕のコト見てくれないんだもん。外の世界ばっかり興味持ってさ」
そう言いながらゆっくりと私に近付く秋。
その手には妖しく黒光りする手錠が握られている。
「何……するの…?」
「繋いでおくんだよ。僕から逃げられないように」
ガチャンッ
手錠が掛けられる音が耳に届く。
「キミはね、僕だけ見てればいいんだよ。そのために生まれてきたんだから……」
そして静かに唇が重なった。
手が動かせない私は、ただ黙って秋を見ていた。
そうすることしかできないから。
他のものを見たら、今度は私が……――。
長い悪夢を見ているようだった。