愛情狂現
そこで私の記憶は途切れる。
秋に抱きしめられたまま泣いているところからまた記憶が始まるのだ。
頭の中で「もう一度再生しますか」と誰かが聞いたので、私は「冗談じゃない」と首を振った。
何もない空虚な空間の中で助けを待ち続けることは、想像していたよりもずっと苦しくて、
ツライ。
それが明るい所だったらいい。
でも、私の場合は真っ暗だったから。
だから私は、今でも暗闇が怖いんだろう。
また『お兄ちゃん』に壊されるんじゃないか、って。
そんな、ありえない不安が脳内を支配して混乱させる。