愛情狂現
「どこかに逃げよう、春」
「逃げる……?」
「長谷川が、ここを教えてくれたんだ。
春がコイツに運ばれてるところを見てたらしい」
そうなんだ……長谷川君が……
そこで私はハッと気がつく。
私はこうして、人の愛に支えられて生きている。
涼くんが私を愛していなければ、もっと早くに殺されたかもしれない。
長谷川君が私を愛していなければ、秋がここに来ることはできなかったかもしれない。
秋が私を愛していなければ、私はここでしんでいたかもしれない。