愛情狂現





秋の腕に身を預けると、それに応えるように抱きしめる力が強くなる。





ずっとこうしていればいい。





私たちを傷付ける人はみんないなくなった。





これからは二人で穏やかに暮らせればいいんだ。





「春……早くしないと警察が来るよ」





「うん……」





秋が私の体を気遣うように優しく支える。





私はゆっくりと立ち上がり、出口に向かってふらふらと歩き出した。






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