愛情狂現





「そうだ、春」




買ってきたものを冷蔵庫にしまいながら、秋が私の名前を呼ぶ。




「何?」




きっと何かお土産でもあるんだろうと、軽い気持ちでキッチンに視線を向けた。




しかし、秋の口から出た言葉は予想の範疇を超えるものだった。




「明日から外に出てもいいよ」




「へ?」




思わず気の抜けた返事をしてしまった。




だって、秋がそんなことを言うなんて……




信じられなかった。




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