愛情狂現





しばらくして、大きなゴミ袋を抱えた秋が戻って来た。





「倉庫の中に入れ物が落ちててよかったよ」





「私も持つ」





「大丈夫、僕だけで十分だよ。春は僕の手を握ってて?」





「ん……」





小さく頷き、秋の大きな手を握る。





二人で外を歩くのは久しぶりだ。






無意識のうちに涙腺が緩み、暖かい涙があふれ出す。






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