愛情狂現
最終章
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永い、長い夢だった。
ずっと暗闇の中を一人で歩いているような、変な夢。
悪夢なのかもしれないし、過去の記憶なのかもしれない。
どちらにせよ、幸せではなかった。
「先生っ、春ちゃんが……!」
声が聞こえる。
どこか遠くで叫んでる、少年の声。
私が知ってる声だ。
懐かしい、あの人の声……