愛情狂現
ゆっくりと目を開くと、そこでは長谷川君が心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
流れ出す涙が、自分が生きているという事実を教えてくれる。
「春ちゃん、よかった……2か月も目を覚まさなかったんだよ」
「そう、なんだ……家は、全部焼けた?」
「え、あ、あぁ……地下室にあった死体まで全焼だったよ……
でも、春ちゃんが巻き込まれなくてよかった」
「うん……よかった、よかったね……秋……」
苦しまずに死ねたかな。
もう痛い思いはしなくていいんだよ、秋。