愛情狂現







わかんない。





わかんないわかんないわかんないわかんない。






秋は確かに隣にいて、私がこの手で葬った。





それは紛れもない現実。





それなのにどうして秋がいないなんて言うの?






「あれ、キミ……意識が戻ったのか」





「いない、いないいないいないいないいない」





うわ言のように呟く私の背中を、誰かの手が優しくさする。





混乱の中顔を上げると、そこには白衣を着た医師らしき男が立っていた。







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