愛情狂現






「春さん、少し落ち着こうか。おじさんが話を聞こう」





「え?」





低くて、穏やかで、静かな声が脳に響く。





精神安定剤でも投与されたかのように心臓が落ち着く。





「君は、“なに”を捜しているんだい?」





「なに、って……そんなの、」





落ち着くと共に曖昧な記憶が頭をもたげ、不明瞭な違和感が浮き彫りになった。





私は、“なに”を探してるの?





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