愛情狂現






薄々は気付き始めていた。





こんなのおかしいと拒絶する心を無視すると、見えてくる疑問点。





秋の記憶が少なすぎる。





どんな時でも護ってくれる、とか。





私の双子のお兄ちゃん、とか。





いつでも優しかった、とか。





私が殺してしまった、とか。





そんな漠然としたことしかわからない。





今まで認知していた思い出も、記憶も、何もかもが曖昧で。





まるで全て夢の中にあったかのようだ。






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