愛情狂現




秋が怖い。



でも大好き。




相反する矛盾が容赦なく心を占領する。




頭が痛い。




もうこんなことで悩むはいやだ。




そんな私の心中を察したかのように、秋が優しく頭をなでる。




それだけで大分気持ちが楽になる。




このままでいい。




今が幸せならそれでいいの……




もうこれ以上秋を傷つけたくない。




両親が秋を嫌った分、私が秋を愛すんだ。




その思いが重い鎖のように自分自身を傷つけているとも知らずに。




私は今日も秋のためだけに生きる。




私とキミだけの世界のために――。




< 19 / 216 >

この作品をシェア

pagetop