愛情狂現
秋が怖い。
でも大好き。
相反する矛盾が容赦なく心を占領する。
頭が痛い。
もうこんなことで悩むはいやだ。
そんな私の心中を察したかのように、秋が優しく頭をなでる。
それだけで大分気持ちが楽になる。
このままでいい。
今が幸せならそれでいいの……
もうこれ以上秋を傷つけたくない。
両親が秋を嫌った分、私が秋を愛すんだ。
その思いが重い鎖のように自分自身を傷つけているとも知らずに。
私は今日も秋のためだけに生きる。
私とキミだけの世界のために――。