愛情狂現
家に帰った私を待っていたのは、決壊した秋だった。
「遅かったね。ボーナスは楽しかった?」
「ぼぉ、なす?」
秋の言う意味がわからない。
ボーナス。
賞与・特別手当・割増金。
またはご褒美。
単語自体の意味はわかる。
だけど今この場所でその言葉が出る意味がわからなかった。
「どういうこと……?」
恐る恐る尋ねると、秋はいつもと変わらぬ壊れた笑みを浮かべて言った。
「そのままの意味だよ。今までイイ子にしてた春へのご褒美」
ソファーに座っていた秋が立ちあがって私に近付く。