愛情狂現
「秋……ッもうやめて……!」
「うるさいうるさいうるさい!!!
春は僕のものでしょ?春だって僕を愛してるんでしょ!?」
細いと思っていた秋の腕は想像以上に力が強く、やっぱり男の子なんだということを実感させられる。
こんなところで秋と自分の違いに気付くなんて……
意思とは反対に遠のいていく意識の中、関係のないことばかり浮かんでは消えていく。
「春、愛してるって言ってよ……僕だけなんて寂しいよ……」
不意に秋の手から力が抜ける。
体を折って咳きこむ私を気に留めることもなく、秋は私を抱きしめた。