愛情狂現
眉根を下げて心配そうな顔をする秋は、やはり昨日のコトなど記憶にないようだ。
秋は、自身のしたことに対して罪の意識などは一切感じない。
自分が全て。
自分が一番正しいから。
だから、彼は今日も生きていられるんだ。
「怖い夢を見てたんだね。可哀想に……
きっとあんな汚い空気を吸ったりしたからだ。
もう外に出たらダメだよ?」
「……ん」
手渡されたコーヒーを口に運び、小さく頷く。
それを見ただけで安心したらしい。
秋は満足そうに微笑んで、私の頭を優しく撫でた。