愛情狂現
闇に包まれた空間は、何故か異様に冷たく感じる。
外では雨が降っているらしくザーザーと雨音が耳を叩く。
湿ったにおいと空気が部屋の冷気に蔓延していた。
それにしても寒い。
薄い服を着ているわけではないのに、この寒さはなんだろう。
しかしそう思う傍ら、必死で警鐘を鳴らし続ける脳。
……惚けることはできないってわけか。
確かに、この空間には覚えがある。
思い出したくもない、暗黒の記憶が。
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