愛情狂現






「次はね、この手!」





カバンに入れて常備していたのこぎりを取り出す。





それを涼くんの手首に押し当て、力を込めて切断する。





断末魔のような叫び声が耳をつんざくが、それさえ愛おしいので気にしない。





ゴキリッ―――




骨が切断できたようだ。





大きすぎて一気に食べることはできないから、取りあえず指を一本噛み切った。





真っ赤な鮮血が飛び散り、私の頬を伝う。





それはさながら涙のようだった。






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