忘れない、温もりを
少しの望みを
クラスメイトに託した。


初めての顔触れ


第一印象って大切だよね。


隣の席の女の子に
思い切って声をかけてみた。

「ねぇ、名前なんていうの?」

その子は
それまでの不安げな顔から
少し明るい表情に変わった。

みんな一緒なんだ…


「由美だよ」

「由美ちゃん?」
あたしは笑顔を作る。



「あたし、ひなた。朝丘ひなただよ。」






一瞬、教室の空気が
淀んだ。


隣の席の由美ちゃんは
少し眉間にシワを寄せ


へぇ、
と一言残した。





みんな一緒ってわけじゃない

あたしは違うんだ…



周りのクラスメイトの口から
あたしの名前が
ボソボソと聞こえた。



…あたしが何をした?




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