忘れない、温もりを
歩いても

歩いても


人は街の至るところにいる。



でも、あたしは

この街が好き
…だと思う。


なんか、こう…

人の優しい部分と
冷たい部分とが

うまく共存してる


…身体がそう感じた。




………痛っ


急に足に痛みが走った。

踏み出し続けた足を
いま 止めた。

傷んだ足の指先を見ると


ミュールからのぞく
小指と薬指が

痛々しくも


赤く色付いていた。



「暑いし…痛いし…」

もう嫌。



歩道と車道を隔てる
ガードレールに

腰をもたれた。




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