忘れない、温もりを
uno

あの夏

――――…‥


耳が痛い。


やっぱりセミって
日本中どこにでもいるんだ。



ここはもう少し
涼しいところだと思ってた。




太陽は容赦なく
街を歩く人々を照りつける。

上着を脱いだサラリーマン

サンダルで闊歩する女の人

肌を惜し気もなく露にした女子

……ついでにあたし。



この街は速い。
車も人も
時間でさえも

何かに追われてるかのように過ぎていく。




どうして人は…

生き急ぐのだろう




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