忘れない、温もりを
あの年の夏は酷暑だった。
真夏日が何日も続き、
ダムの水は徐々に引いていく。


人はそれでも
街に溢れ
ビーチに走り

あえて人ごみを求めているように見えた。



例年になく暑いあの夏、
女の子たちは
それぞれの肌を
思い切り晒しだし

すぐに過ぎてしまうであろう
夏を
全身で記憶していた。



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