忘れない、温もりを
ベッドから立ち上がり、
部屋のドアを出た。
隣の寝室に眠る兄の姿を
少し開いた
ドアの隙間から確認した。
洗面台の前に立ち、
軽く身支度を整えると
携帯を手に
玄関に向かった。
玄関前の全身鏡で
再度
自分の姿を確認した。
黒いスエットパンツに
白い身体にフィットした
Tシャツ
靴箱兼クローゼットのドアを開け
キャップを手に取り
ドアにかかったサングラスを手にした
浅くキャップをかぶり
サングラスをかけ
ミュールをつっかけて
玄関のドアを出た。
エレベーターホールまでの廊下に
あたしのミュールの音が
高く響いた。
ちょうどよく
エレベーターは来て
あたしを1階エントランスまで導いてくれた。
ホールを出ると
まだ比較的涼しい
夏の朝の香りがした。
コンビニまでの道、
音を出すミュールに合わせ
あたしのエンジンも
気持ち 高まった。
数分間の散歩の中で
あたしは
沢山のものに出会った。
周辺のマンションから列をなして出ていく車
バス停に整列する人々
霞んだように見えた空気
微かに聞こえる鳥の羽音
今まで気にもならなかった
気付こうともしなかったものが
次々にあたしの中に
入っていった。
小学生のころ、
眠い目を擦りながら参加した
ラジオ体操のあとの
少し乾いた
少し切ない
あたしの知らない
夏の朝
それを思い出させてくれた。
部屋のドアを出た。
隣の寝室に眠る兄の姿を
少し開いた
ドアの隙間から確認した。
洗面台の前に立ち、
軽く身支度を整えると
携帯を手に
玄関に向かった。
玄関前の全身鏡で
再度
自分の姿を確認した。
黒いスエットパンツに
白い身体にフィットした
Tシャツ
靴箱兼クローゼットのドアを開け
キャップを手に取り
ドアにかかったサングラスを手にした
浅くキャップをかぶり
サングラスをかけ
ミュールをつっかけて
玄関のドアを出た。
エレベーターホールまでの廊下に
あたしのミュールの音が
高く響いた。
ちょうどよく
エレベーターは来て
あたしを1階エントランスまで導いてくれた。
ホールを出ると
まだ比較的涼しい
夏の朝の香りがした。
コンビニまでの道、
音を出すミュールに合わせ
あたしのエンジンも
気持ち 高まった。
数分間の散歩の中で
あたしは
沢山のものに出会った。
周辺のマンションから列をなして出ていく車
バス停に整列する人々
霞んだように見えた空気
微かに聞こえる鳥の羽音
今まで気にもならなかった
気付こうともしなかったものが
次々にあたしの中に
入っていった。
小学生のころ、
眠い目を擦りながら参加した
ラジオ体操のあとの
少し乾いた
少し切ない
あたしの知らない
夏の朝
それを思い出させてくれた。