忘れない、温もりを
入学早々、
あたしの高校生活に対する
希望なんて

ほとんど無くなった。


この学校にいる
数少ないギャルっぽい先輩に
即行呼び出された。


「お前?朝丘ひなたって」
「はぁ…まぁ」


先輩たちは顔を見合わせて
吹き出すように笑いだした。


「ぷっ…こいつだって!やばくねぇ〜?」
「マジやばいね!ブスじゃん」


……くだらない

「すいません、何か用ですか?」

ホントにくだらない。
こんなことして意味あるのかな…


そういえば
中学に入学したときも
呼び出された気がする…
『ちょっと可愛いからって調子のんな』
って。

あれは誉め言葉だったかな?



「あんたウザイ。孝弘にあんまりつきまとうなよ」
「ってか、この女なんか取り柄でもあんの?」

なさそぉ〜!
と先輩たちは
声を揃え、嬉しそうに笑った。



「…それともあれか?」

1人の先輩が言った。


「その顔とテクがあればOK…みたいな?」




何も言わなかった。



反論しても、
この人たちを喜ばすだけ。



「ヤリマン!」


最後にこの言葉を
浴びせられ

ことは終わった。



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