王子に恋して
―4月8日―
入学式の1時間くらい前。
「面倒臭いなぁ…」
式の前に教室に集まらなきゃいけなくて
教室に向かっていた。
「もうっ!この高校広すぎっ!!」
文句を言いながらも目的の場所、
1年5組の教室に着いた。
「はぁ、やっと着いた…。さ、入ろっと。」
ガラガラっ
ザッ
ドアを開けた瞬間、
教室にいた人みんなが一斉に羽美を見た。
―!!!
あがり症の羽美は一気に顔を赤くして急いで俯くと、
1人の女の子がこちらに向かって歩いて来た。
(やだ…どうしよう。いきなり悪口とか言われちゃうのかな…。)
なんていつも通り超マイナスな妄想をしていると、
「あははっ!初対面の人にいきなり悪口言う人なんて、どこにもいないでしょ!」
と、羽美に笑いかけ、
「あたし、住田汐里。よろしくね!」
そう言って話しかけてくれたのが汐里だった。
―――――