王子に恋して



―4月8日―


入学式の1時間くらい前。


「面倒臭いなぁ…」


式の前に教室に集まらなきゃいけなくて
教室に向かっていた。


「もうっ!この高校広すぎっ!!」


文句を言いながらも目的の場所、
1年5組の教室に着いた。


「はぁ、やっと着いた…。さ、入ろっと。」


ガラガラっ

ザッ


ドアを開けた瞬間、
教室にいた人みんなが一斉に羽美を見た。


―!!!

あがり症の羽美は一気に顔を赤くして急いで俯くと、
1人の女の子がこちらに向かって歩いて来た。


(やだ…どうしよう。いきなり悪口とか言われちゃうのかな…。)

なんていつも通り超マイナスな妄想をしていると、


「あははっ!初対面の人にいきなり悪口言う人なんて、どこにもいないでしょ!」


と、羽美に笑いかけ、

「あたし、住田汐里。よろしくね!」


そう言って話しかけてくれたのが汐里だった。



―――――



< 6 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop