また君に…
女の甘い声が聞こえ、咄嗟に耳を塞いだ。
聞きたくないのに…。
それと共に、沢山の涙が溢れてきた。
―――違う。
こんなの、違うっ…。
違うって思いたいのに…体と心が…。
信じたくない。
信じたくないけど…。
「美優?」
悠が私の顔を見、驚いた顔をする。
悠の言葉に女達の甘い声は消えた。
悠は私と目線を合わせて心配そうな顔をし、男に言った。
「瀧汰…もうヤメロよ……」
―――っ!!!?
瞬間、体が震えだし、それに気づいた悠は私を抱えあげて、男を見た。
男と目があった瞬間、声が漏れた。
「……瀧…汰」
「………み…」
男は驚いてるのか、固まった。
「ん? お前…美優の事知ってたのか?」
悠が目を見開き、男を見るが、男は目を逸らした。
―――こんな人、瀧汰じゃない。
瀧汰は優しくて、私を大事にしてくれた。
第一、女に…軽くなかった。