また君に…
☆転校
「美優、用意は出来てる?」
「…うん」
「…気をつけなさいね。愛してるわ」
「……あたしも…愛してる」
助手席から顔を出し、あたしの額にキスを落とす、ママ。
「…すまんな美優。俺も…愛してる」
運転席から申し訳なさそうな顔を覗かせる、パパ。
「大丈夫。あたしを…誰だと思ってるの?」
笑顔を作り、車を降りた。
「…じゃあ、行くね。また……来年に合おうね」
「愛してるわ…」
「…愛してる」
2人は悲しそうな顔をして、私を見る。
「……行って来ます」
私は静かにドアを閉めると、車は静かに発進した。
――さよなら、パパ、ママ。
また、来年、迎えに来てね。
私は見送って、新しい学校に入った。
今日から、ここの生徒になる。