真夏の白昼夢
「俺は待ってばかりだな」
「もー…」
彼女が救いたかった女の子は無事、成仏した。
「もうすぐ夏休み終わっちゃうね…」
「…そうだな」
「変な夢を見てたみたいだった」
「夢か……」
俺は今も夢みたいだと思うけどな。
「夏休みが終わる前にやりたいことがあるんだけど…」
彼女は俺の隣にきて言った。
「なに?」
「花火!」
彼女の名前は音川和歌子。
透明人間だったという夢を見ていた、女の子だ。