真夏の白昼夢
透明人間って死なないのかな?
「…なんて」
ニュースは続く。
『女子小学生が道路で遺体として発見されました』
あ…うちの近所だ…かわいそうに…。
もし時間があればお花でも…持てないんだった。残念だ。
しんみりしたところで私は電気店を出た。
今は戻る方法を考えて…。
「でさー、あの先輩が…」
「まじで!?付き合えばいーじゃん!」
「無理だってー」
友達だ。
見えてないことをいいことに私は近づいた。
「えー!最悪じゃん、それ!」
「うん…ショックだった」
莉奈、瑠美。私、今、透明人間なんだよ。
言いたいけど声は届かない。
見せたいけど証明できない。
透明人間ってのは自慢できない。
「あのさ、和歌子のことなんだけど」
莉奈の声のトーンが急に下がって、私の話になった。