真夏の白昼夢
透明人間もいいことばかりじゃない。
逆に、いいことなどなかった。
「早く…もとに戻りたいよ…」
一晩寝れば戻るのだろうか。
「…つらいよ」
「つらいだろうな」
独り言だったのに。
応えが返ってきた。
「探した」
本日二回目の石倉くんだった。
「どうしたの?」
「どうしてるかなって思って」
石倉くんが歩きだしたので私も隣を歩く。
「あと、寂しいかなと」
「寂しいよ」
「…そっか」
でも今は石倉くんが話してくれるから、大丈夫。
「音川は、昨日なにしてた?」
「昨日?…うーん。なんで?」
「昨日の行動の中に透明人間になった原因があるんじゃないかと、わかれてから考えた」
それは一理あるかもしれない。
昨日…か。