ストロベリーフィールド
学校を出ると、私たちは翔の家へ向った。

葉月とはもうダメかもしれない、と言っていた和希はいつの間にか仲直りしていて
結局、私には二人の間に何があったのかわからないままだった。


三人でしばらく歩いてコンビニに入ろうとした時、和希のケータイが鳴った。

「なぁ、葉月がカラオケ行かねーかって言ってんだけど、どうする?」

ケータイを耳に当てたまま、和希は私たちに目を向けた。

「翔は?」

私が目を向けると、翔はコクりをうなづいた。

「じゃあ、私も行くー」

「なんだよ。翔と一緒じゃなきゃ、来ねーのかよ」


「だって和希、葉月とずーっとイチャイチャしてるんだもん」
不機嫌に言う和希を避けるように言うと、コンビニに入った。


和希と葉月の幸せそうな姿を見てると、胸が締め付けられる。




待ち合わせ場所に着くと、葉月は私たちに向かって大きく手を振った。

和希はさりげなく葉月の手を取り、歩き出した。

「翔くんと遊びに行くのって、初めてだよね」

葉月は翔に微笑んだ。

「あー、実際あんま喋ったことないしな」

そう言っていたのに、二人はすぐに打ち解けた。

葉月はいつになく楽しそうで、和希と翔は二人で歌いまくってて、私は翔の歌声にただただ、聞き惚れていた。

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