ストロベリーフィールド
「ねぇ、彩ちゃんは夏休み、どうするの?」
隣で和希と話していた葉月は、突然振り返った。
「どうって…特に決めてないけど」
去年はほとんどの時間を啓太の家で過ごした。
だけど今年はきっと、去年みたいにはいかない。
でも、少しだけ期待して予定は空けてある。
「四人で遊びに行ったりしたいよね」
みんなの顔を伺う葉月は、一段と楽しそうだった。
「それいい!翔も予定ないんだろ?」
和希も身を乗りだした。
その時、私のケータイが鳴った。
「ちょっとごめん」
慌てて部屋を出た。
「もしもーし」
「元気だな」
啓太はいつもの落ち着いた声で言った。
「今ね、和希達とカラオケにいるの」
「そうか。じゃあ、今日は会えないな」
「えっ?」
予想もしなかった言葉に、驚いた。
「明日、仕事が休みなんだ。今日もこれから帰る所だから、家に来ないかと思ったんだ」
「行く!今すぐ行く!」
電話の向こうで、啓太が笑うのがわかった。
「今どこ?迎えにいくよ」
近くの駅に来て貰うよう言って、電話を切った。
そして、三人の元へ戻ると鞄を持った。
「どうした?」
和希が言った。
「ごめん。用事が出来た」
「彼氏か」
メールを打ちながら、翔が言った。
私は翔の顔を見るのが怖くて、そのまま部屋を出た。
駅までの道を走っていると、翔の言葉が何度も頭をよぎった。
―そんな奴と一緒にいたって幸せになんかなれねーぞ―
今の私には、未来なんてどうでもいい。
"今"啓太と居たいと想う気持ちを大事にしたいの。
隣で和希と話していた葉月は、突然振り返った。
「どうって…特に決めてないけど」
去年はほとんどの時間を啓太の家で過ごした。
だけど今年はきっと、去年みたいにはいかない。
でも、少しだけ期待して予定は空けてある。
「四人で遊びに行ったりしたいよね」
みんなの顔を伺う葉月は、一段と楽しそうだった。
「それいい!翔も予定ないんだろ?」
和希も身を乗りだした。
その時、私のケータイが鳴った。
「ちょっとごめん」
慌てて部屋を出た。
「もしもーし」
「元気だな」
啓太はいつもの落ち着いた声で言った。
「今ね、和希達とカラオケにいるの」
「そうか。じゃあ、今日は会えないな」
「えっ?」
予想もしなかった言葉に、驚いた。
「明日、仕事が休みなんだ。今日もこれから帰る所だから、家に来ないかと思ったんだ」
「行く!今すぐ行く!」
電話の向こうで、啓太が笑うのがわかった。
「今どこ?迎えにいくよ」
近くの駅に来て貰うよう言って、電話を切った。
そして、三人の元へ戻ると鞄を持った。
「どうした?」
和希が言った。
「ごめん。用事が出来た」
「彼氏か」
メールを打ちながら、翔が言った。
私は翔の顔を見るのが怖くて、そのまま部屋を出た。
駅までの道を走っていると、翔の言葉が何度も頭をよぎった。
―そんな奴と一緒にいたって幸せになんかなれねーぞ―
今の私には、未来なんてどうでもいい。
"今"啓太と居たいと想う気持ちを大事にしたいの。