ストロベリーフィールド
――私の想いは翔には届かない―
わかっていたはずなのに
納得したはずなのに
現実を突き付けられる度に、胸を締付けられる。
そばにいられるだけでよかったのに
毎日少しづつ欲張りになっていく。
澄んだ瞳で見つめられたい。
細くて長い指に触れたい。
可愛い笑顔を見ていたい。
翔を独占したい…。
「俺はあのワンピース、好きだけどな。すげぇ似合ってた」
うつむく私に、和希は気を逸らすようにクローゼットにある白いワンピースを指差した。
「これ、一度しか着た事ないんだよね」
ワンピースを手にとると、これを着た日の事を思い出した。
まだ啓太と付き合っていた頃、二人で迎える初めてのクリスマスに着るために、何か月も前に買った。
それを見ながらプレゼントは何にしようかと悩み、幸せな一日を夢見た。
そういえばあの日、和希には会わなかった。
朝、迎えに来てくれた啓太と家を出て、帰ったのも随分遅かった。
あの日のために買ったものだったから、それ以来ワンピースは着てないのに…。
「和希の前で着た事あった?」
「見掛けたんだ、あの日。車に乗り込むとこ」
わかっていたはずなのに
納得したはずなのに
現実を突き付けられる度に、胸を締付けられる。
そばにいられるだけでよかったのに
毎日少しづつ欲張りになっていく。
澄んだ瞳で見つめられたい。
細くて長い指に触れたい。
可愛い笑顔を見ていたい。
翔を独占したい…。
「俺はあのワンピース、好きだけどな。すげぇ似合ってた」
うつむく私に、和希は気を逸らすようにクローゼットにある白いワンピースを指差した。
「これ、一度しか着た事ないんだよね」
ワンピースを手にとると、これを着た日の事を思い出した。
まだ啓太と付き合っていた頃、二人で迎える初めてのクリスマスに着るために、何か月も前に買った。
それを見ながらプレゼントは何にしようかと悩み、幸せな一日を夢見た。
そういえばあの日、和希には会わなかった。
朝、迎えに来てくれた啓太と家を出て、帰ったのも随分遅かった。
あの日のために買ったものだったから、それ以来ワンピースは着てないのに…。
「和希の前で着た事あった?」
「見掛けたんだ、あの日。車に乗り込むとこ」