狼くんと放課後LOVE(仮)
【大輝side】
誰なんだよ?コイツ。見た感じ年上みてぇけど
人が今度の土曜日デートしないかって莉子に言おうとしたら邪魔しやがって。
身勝手な怒りだと分かっていても、俺の心は目の前の“ようちゃん”と呼ばれる年上の男に本能的に敵意を感じた。
「なぁ、莉子。俺に紹介して」
なるべく平静を装った声が言ったが、顔に出やすい性格のせいで
「そんな敵意剥き出しにしないでくれよ。
キミ、莉子の彼氏?
俺は、ただの莉子の幼なじみだよ」
男には完璧にバレていたようで、やけに爽やかな笑顔で微笑まれた。
「そうだけど、幼なじみ…なのか?」
莉子に聞くと、うんと大きく頷いた。
「あたしのお兄ちゃんみたいな人なの。だから、そんな怖い顔しないで」
「莉子。分かった」
莉子からそう言われたら仕方ないけど…
「分かってくれたんだ。ありがとう」
変わらず爽やかな笑顔で微笑むこの男のことを俺はどうやら大嫌いみたいだ。