狼くんと放課後LOVE(仮)
公園でようちゃんって野郎と別れてからも、懐かしそうにようちゃん野郎の思い出話をする莉子の話を半分…いや半分以下だけ聞いて歩く帰り道。
「ようちゃんってね、小さい頃から頭よくて、小学生の頃、よく勉強教えてもらってたんだぁー」
罪悪感など感じさせない無垢な笑顔の莉子の態度に苛立ちを募らせた。
「ねぇ、聞いてるの?」
「あぁ?なんだよ」
「あぁ…って…。どうしたの?なんか、機嫌悪いよ」
不安そうな瞳で顔色を伺う莉子。
「別に」
これ以上なにか言うと喧嘩になるか、俺の怒りが爆発するかどっちか分からない。
それだけは避けたい。
「なんでもねぇよ。とにかく帰るぞ」
それだけ言って莉子の顔を見ずにスタスタと足早に歩き始めた。