狼くんと放課後LOVE(仮)
「ねぇ、ちょっと待ってよ!?宮崎くん!」
……アイツ…また俺のことを宮崎くんって呼んで。
急に立ち止まった俺の背中にドンと莉子の頭が勢いよくぶつかってきた。
「イッタ…ごめん、痛くなかった?」
振り向くと、おでこを抑えながらニコッと微笑む莉子。
その笑顔を見た瞬間、俺のなかの何かがブチっとちぎれた。
「俺、帰る。じゃあな」
そう言って「えっ…?宮崎くん…!待ってよ…!」と泣きそうな声で俺の名前を呼ぶ莉子を置いて
漆黒の闇に染まり始めた空の下。莉子のそばから足早に去っていった。