狼くんと放課後LOVE(仮)

「立木…?」


後ろから突然声をかけられて振り返ってみたら



「酒井…くん」



薄暗い街灯の灯りに照らされた制服姿の酒井くんがいた。


「やっぱり、立木だ。こんなところでなにしてんの?」



突然現れた酒井くんは、見慣れた爽やかな笑顔を浮かべながら親しげに声をかけて近づいてきた。


「あっ…ちょっと…」



突然の出来事に戸惑うあたしに酒井くんは、まるであたしを振った事など忘れているような


なにも変わらない雰囲気を醸し出していた。


きっと、酒井くんにとってあたしから告白されて振った事は、単なるある1日のなんでもない出来事だったのかもしれない。


余りにも普通に接してくる酒井くんを見てそう感じた。




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