狼くんと放課後LOVE(仮)
「宮崎に会いに来たのか?」
やっぱり。
サラリと宮崎くんの名前を出して聞いてくるぐらいだ。
あたしを振った事は、酒井くんにとってなんでもない事だったんだね。
あたしも、今はもう酒井くんに対する気持ちは過去のものだから…
「うん。そうなの」
普通に笑顔を浮かべて微笑んだ。
こんな風に酒井くんと普通に話せるのも、宮崎くんのおかげだね。
宮崎くんがいなかったらきっと、あたし今でも酒井くんのことをズルズルと引きずっていたかもしれない。
この爽やかな笑顔で微笑む酒井くんに、きっと…今も失恋の痛手から脱出できなくて泣いてたんだろうなぁ。
そう想うと改めて、あたしの中の宮崎くんの存在の大きさを感じた瞬間だった。