狼くんと放課後LOVE(仮)
なんだか、ちょっとだけ寂しさを感じて俯いた。
「立木、あのさ…」
「なに?」
顔を上げて酒井くんを見たら
「俺さ、ホントは立木に話したいことがあったんだ」
「話したいこと?なに?」
「あのさぁ…俺…」
少しだけ瞳を泳がせた酒井くんがそう何かを言いかけた時
ガチャンと玄関が開く音が聞こえてきて
その方向に視線を向けると
「大輝、送ってよ」
宮崎くんの家の中から綺麗な年上っぽい女の人が出てきた。
えっ…?誰…?この人…誰…?
思わずその女の人を釘付けになって見ていたら、その女の人と視線が重なった。
ど、どうしよう…。
予想もしていなかった出来事にただボーと立ち尽くしたまま
重なった視線をそらせないでいた時だった。