狼くんと放課後LOVE(仮)

ゆっくりと宮崎くんから放れるその人は、もう一度あたしの顔を見るとニコッと意味深な笑みを浮かべた。


宮崎くんは、何かをその人に言ったあとあたしの顔をジッと見てゆっくりとあたしに近寄ろうとした。


けど…。



「莉子…」



そう宮崎くんがあたしの名前を呼びながら、あたしの肩に触れようと手を伸ばした瞬間



「イヤ…!!」



あたしは、宮崎くんを拒絶し、その場から逃げるように駆け出した。



「莉子!!待てって!!」


宮崎くんが、あたしの名前を呼ぶ声も、何もかも聞こえない真っ暗な世界へと突き落とされるような感覚を感じながら

ただ、夢中で走った。

ただ…あの場所から逃げたくて


「ハァ…ハァ…ハァ…」


息が上がり、苦しくても無我夢中で走るあたしの腕を


「待てって!!」


そう言って強く握ったのは


「立木!!!!」


「さかい…くん…」


宮崎くんじゃなくて、酒井くんだった…。




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