狼くんと放課後LOVE(仮)
「立木…」
酒井くんがいるから泣いちゃダメだって分かっていても
涙はまるで止まることを知らないように大粒の涙が冷たいコンクリートに落ちていった。
「ご…めん…なさい…きにしないで…かえって…」
酒井くんに背を向けて言った。
「ひとりに…して…」
ひとりにしてほしい。こんなグチャグチャな気持ちで誰かと一緒にいたくない。
「おねがい…」
俯いたまま呟いた声は冷たい夜風に消された…時だった…
「泣くなよ…もう…泣くなよ…」
酒井くんの声が耳元で聞こえたと思った瞬間
「えっ…?」
フワッと後ろから抱きしめられた。