狼くんと放課後LOVE(仮)

「冗談じゃないよ。俺…立木を振ったこと、今…スゲー後悔してる」



さっきまで雲に隠れていた月が顔を覗かせて、静かに酒井くんの顔を照らした。


「そんな…そんなこと…言われても…」


「分かってる。立木を振った俺が、今更こんなこと言うの

おかしいってことも分かってる」



ハァ…本当に俺ってバカだよなと自分の髪を片手でグチャグチャにしたあと酒井くんは真っ直ぐあたしの瞳を見つめた。


「俺…お前のこと好き」



「えっ…?」


す、好きって…酒井くんがあたしのことを?


「そんな…急にそんなこと言われても…」


どうしたらいいか分からないよ…。


なんて、言えばいいの?

酒井くんがあたしのことを好き?

ウソでしょう?

突然の予想もしていなかった酒井くんからの告白に何も言えないまま、月明かりに照らされる酒井くんの顔をただ呆然と見つめた。




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