狼くんと放課後LOVE(仮)
ヒックヒックと、止めどなく溢れてくる涙を止めることなく泣いた。
「莉子…」
不意に名前を呼ばれて顔を上げた。あたしの目の前には、疲れきった顔で、肩で息をしている宮崎くんが立っていた。
「莉子…」
「みやざき…くん…?」
「莉子…!」
駆け寄り、あたしを抱きしめる宮崎くん。
会えた…。
そっと宮崎くんの背中に触れようと腕を伸ばした。
けど…フラッシュバックのようにあのキスシーンが浮かび上がって
あたしは、また「ヤッ…!」と宮崎くんを突き放した。
「り…こ…」
宮崎くんの悲しげな声が静かな夜空に上がって消えた。