狼くんと放課後LOVE(仮)

「そっ…か…」


宮崎くんは、そう力無く呟くと、黙り込んでしまった。


俯いて、少しだけ見た宮崎くんの顔は今まで見たことがない悲しげで辛そうな顔。


こんな顔にさせたのはあたし。だけど今のあたしには


「ごめんなさい」


しか言えない。


「ごめんなさい…」


もう一度言うと


「莉子のせいじゃないよ」


気にするなと強がって笑った笑顔に、また泣きそうになる気持ちをこらえた。



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